本日2014年10月10日現在、iPad(横幅768px)に満たない「手の平サイズ」であるスマホ&ファブレット端末からウェブを見ている人は、StatCounterの統計によると日本で23%。全ウェブサイトの約4分の1が、この小さな画面で表示されているんですね。
これまでPCでの閲覧しか考慮していなかったBtoB企業のサイトでも、手の平サイズの画面で表示される機会が増えてきました。
私が制作を担当させてもらっているBtoB企業のクライアントさんで、横幅960pxのPCサイトのみだった自社サイトが、スマホからのアクセスが全体の3分の1を超えてきたところがあり、今回スマホ最適化を行いました。
レスポンシブではなく、ダイナミック・サービングを採用
既存のPCレイアウトはそのまま残し、スマホを新設することになりましたが、1ページ内の情報量が非常に多い状態だったので、Googleが最も推奨するレスポンシブではなく、2番目の「同じ URL で異なる HTML を動的に配信する」ダイナミック・サービングと呼ばれる手法で、ページの核となる部分のみスマホで表示することにしました。
https://developers.google.com/webmasters/smartphone-sites/details
PHPでユーザーエージェントを判別し、スマホとそれ以外(PC・タブレット)に分ける
ユーザーエージェントを見て判別する関数を用意し、分岐によってスマホ用CSS・HTMLを表示するか、それ以外のPC・タブレット用CSS・HTMLなどを読み込みます。
<?php function is_mobile() { return preg_match( '/android.+mobile/i', $_SERVER['HTTP_USER_AGENT'] ) || preg_match( '/iphone/i', $_SERVER['HTTP_USER_AGENT'] ); } ?> <?php if (is_mobile()): ?> <head> <!-- 〜スマホ用CSS読み込み〜 --> </head> <body> <!-- 〜スマホ向けページソース〜 --> </body> <?php else: ?> <head> <!-- 〜PC用CSS読み込み〜 --> </head> <body> <!-- 〜PC向けページソース〜 --> </body> <?php endif; ?>
WordPressを使用している場合
上記サイトでも解説されている通り、
モバイルからのアクセスは、テンプレート名の末尾に「-sp」が付けたものを使用するように、
フィルターフックを設定します。
function.phpにユーザーエージェント判別を記述し、スマホからのアクセスは、「-sp」のテンプレートを優先して読み込むよう設定します。
function is_mobile() { return preg_match( '/android.+mobile/i', $_SERVER['HTTP_USER_AGENT'] ) || preg_match( '/iphone/i', $_SERVER['HTTP_USER_AGENT'] ); } add_filter( 'template_include', 'mytheme_template_include' ); function mytheme_template_include( $template ) { if ( is_mobile() ) { $template_sp = str_replace( '.php', '-sp.php', $template ); if ( file_exists( $template_sp ) ) $template = $template_sp; } return $template; }
また、スマホからのアクセスはstyle.cssを読み込まず、スマホ用CSS「style-sp.css」を読むよう、アクションフックを設定します。
if (!is_admin()) {//管理画面を対象外に function add_style() { wp_deregister_style( 'twentyfourteen-style' ); //twentyfourteenテーマのstyle.cssを読み込まない wp_enqueue_style( 'style-sp', get_bloginfo('template_url').'/style-sp.css', array( 'genericons' ) ); //style-sp.cssを読み込み } add_action('wp_print_styles', 'add_style'); }
仕上げに、Googleにダイナミック・サービングを使用したページであることを宣言
ダイナミック・サービングはPC版とモバイル版が同じURLのため、片方だけしかクロールされず、情報が欠落することもあるそうです。これを防ぐために、「HTTP Vary: User-Agent」ヘッダーを返す設定をお忘れずに。
参考:
http://www.suzukikenichi.com/blog/building-websites-optimized-for-smartphones-and-feature-phones/